第3種 理論 R2年度

電験三種 令和2年度 理論 問14『センサに関する問題』

問題

物理現象と,その計測・検出のための代表的なセンサの原理との組合せとして,不適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。


 

解説

(1)

電磁誘導に関するファラデーの法則とは,ある回路を貫く磁束が変化すると,回路に誘導起電力が発生するというものであるため,光とは関係がありません。したがってこの組み合わせは不適切です。

(2)

圧電現象とは,水晶などの物質に圧力を加えると,物質の表面に電荷が発生する現象のことです。超音波は伝達する媒質の圧力の変化により伝搬するため,圧電現象を利用した素子により超音波を検出することが可能です。したがってこの組み合わせは適切です。

(3)

ゼーベック効果とは,ある物質の両端に温度差がある場合,その物質の両端の間に起電力,電位差が生じる現象です。したがってこの組み合わせは適切です。

(4)

ピエゾ抵抗効果とは,金属や半導体に応力を加えると,その物質の電気抵抗が変化する現象のことです。圧電効果とは異なり,応力を加えても電荷が生じることはなく,あくまでも抵抗が変化するのみです。したがってこの組み合わせは適切です。

(5)

ホール効果とは,電流が流れている物体に対して,電流に垂直に磁場をかけると,物体に流れる電子がローレンツ力を受けて物体の端に移動し,それにより物体内に電位差が生じる(電流と磁場の両方に直交する方向に起電力が生じる)現象のことです。したがってこの組み合わせは適切です。

 

解答

(1)
 

-第3種, 理論, R2年度