第3種 法規 R2年度

電験三種 令和2年度 法規 問1『主任技術者に関する問題』

問題

次の文章は,「電気事業法」及び「電気事業法施行規則」に基づく主任技術者に関する記述である。
a)主任技術者は,事業用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安の\fbox{(ア)}の職務を誠実に行わなければならない。
b)事業用電気工作物の工事,維持及び運用に\fbox{(イ)}する者は,主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。
c)第3種電気主任技術者免状の交付を受けている者が保安について\fbox{(ア)}をすることができる事業用電気工作物の工事,維持及び運用の範囲は,一部の水力設備,火力設備を除き,電圧\fbox{(ウ)}万V未満の事業用電気工作物(出力\fbox{(エ)}kW以上の発電所を除く。)とする。

上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

 

解説

a)

この記述は,電気事業法の第四十三条の第4項に記載されています。その内容は以下のとおりです。

『第四十三条
4 主任技術者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない。 』

上記の条文のとおり主任技術者の仕事は,「事業用電気工作物の工事、維持及び運用」に関して,「保安の監督」を行うことと定められています。主任技術者の法律で定められた役割は,あくまでも「監督」です。保安のために計画をしたり,作業をしたりということは求められていません。

したがって,(ア)の選択肢は「監督」が正しいです。

 

b)

こちらも電気事業法の第四十三条ですが,第5項に記載されている内容です。その内容は以下のとおりです。

『第四十三条
5 事業用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者は、主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。』

上記条文の通り,「事業用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者」は,主任技術者の「保安のためにする指示」に従うように定められています。保安に関係のない指示には従わなくてもよいですが,保安のための指示に従わなかった場合は法律違反になってしまいます。

したがって,(イ)の選択肢は「従事」が正しいです。

 

c)

主任技術者の免状の種類ごとの保安監督範囲については,電気事業法施行規則の第五十六条に記載があります。

『第五十六条
法第四十四条第五項の経済産業省令で定める事業用電気工作物の工事、維持及び運用の範囲は、次の表の上欄に掲げる主任技術者免状の種類に応じて、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。』

上記のとおりこの条文には表が記載されており,その表において,第三種電気主任技術者の保安の監督を行うことができる範囲については,以下のとおり記載されています。

『電圧五万ボルト未満の事業用電気工作物(出力五千キロワット以上の発電所を除く。)の工事、維持及び運用』

したがって,(ウ)の選択肢は「5」,(エ)の選択肢は「5000」になります。

 

解答

(4)
 

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