問題
次の文章は，「電気設備技術基準の解釈」に基づく変圧器の電路の絶縁耐力試験に関する記述である。
変圧器（放電灯用変圧器，エックス線管用変圧器等の変圧器，及び特殊用途のものを除く。）の電路は，次のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。
① 表の中欄に規定する試験電圧を，同表の右欄で規定する試験方法で加えたとき，これに耐える性能を有すること。
② 日本電気技術規格委員会規格JESC E7001（2018）「電路の絶縁耐力の確認方法」の「3．2 変圧器の電路の絶縁耐力の確認方法」により絶縁耐力を確認したものであること。
上記の記述に関して，次の（a）及び（b）の問に答えよ。
（a）表中の空白箇所（ｱ）〜（ｴ）に当てはまる組合せとして，正しいものを次の（1）〜（5）のうちから一つ選べ。
（b）公称電圧22000Vの電線路に接続して使用される受電用変圧器の絶縁耐力試験を，表の記載に基づき実施する場合の試験電圧の値[V]として，最も近いものを次の（1）〜（5）から一つ選べ。
（1）28750 （2）30250 （3）34500 （4）36300 （5）38500
解説
（a）
変圧器の電路の絶縁性能に関しての規定は，「電気設備技術基準の解釈」第16条に記載されています。この条文において，変圧器の巻線の種類と最大使用電圧の大きさにより，必要とされる試験電圧の大きさと試験方法が表として記載されています。その表を以下に抜粋します。
（ｱ）に入る電圧の大きさは，この表に記載されているとおり7,000Vです。高圧と特別高圧の分かれ目が7,000Vですので，これは覚えやすいですね。
（ｲ）は，試験電圧が最大使用電圧の何倍かを答える問題ですが，上記表のとおり1.5倍です。
（ｳ）は，試験電圧の大きさが最大使用電圧の1.5倍で計算してもある電圧の大きさ以下になった場合，その大きさの電圧で試験してもよいがそれが何Vかという問題です。その大きさは上記表のとおり500Vです。
（ｴ）は，最大使用電圧が15,000Vを超え60,000V以下の場合の試験電圧が，最大使用電圧の何倍かを答える問題です。上記表のとおり1.25倍です。
（b）
表に記載されている変圧器の電圧は，「最大使用電圧」です。問題の変圧器は「公称電圧」が22000Vですので，まずは最大使用電圧を求める必要があります。
公称電圧と最大使用電圧との関係は，「電気設備技術基準の解釈」の第1条第2号イの以下のような表に変換するための係数が記載されています。
この表に記載されている係数を用いて，最大使用電圧を求めると，
22000 \times \dfrac{1.15}{1.1} = 23000 [V]
となります。
最大使用電圧が23000Vの変圧器の試験電圧は，問題の表の一番下の欄に記載されている内容に該当します。試験電圧は最大使用電圧の1.25倍ですので，
23000 \times 1.25 = 28750 [V]
と求まります。
解答
（a）（4）
（b）（1）
