問題
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における配線器具の施設に関する記述の一部である。
低圧用の配線器具は,次により施設すること。
a)\fbox{(ア)}ように施設すること。ただし,取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設する場合は,この限りでない。
b)湿気の多い場所又は水気のある場所に施設する場合は,防湿装置を施すこと。
c)配線器具に電線を接続する場合は,ねじ止めその他これと同等以上の効力のある方法により,堅ろうに,かつ,電気的に完全に接続するとともに,接続点に\fbox{(イ)}が加わらないようにすること。
d)屋外において電気機械器具に施設する開閉器,接続器,点滅器その他の器具は,\fbox{(ウ)}おそれがある場合には,これに堅ろうな防護装置を施すこと。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
解説
低圧用の配線器具の施設については,「電気設備技術基準の解釈」第150条において定められています。問題のa)からd)は第150条第1項第1号から第4号に対応しており,その内容は以下のとおりです。
『第150条 低圧用の配線器具は、次の各号により施設すること。
一 充電部分が露出しないように施設すること。ただし、取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設する場合は、この限りでない。
二 湿気の多い場所又は水気のある場所に施設する場合は、防湿装置を施すこと。
三 配線器具に電線を接続する場合は、ねじ止めその他これと同等以上の効力のある方法により、堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続するとともに、接続点に張力が加わらないようにすること。
四 屋外において電気機械器具に施設する開閉器、接続器、点滅器その他の器具は、損傷を受けるおそれがある場合には、これに堅ろうな防護装置を施すこと。』
従って,(ア)には「充電部分が露出しない」,(イ)には「張力」,(ウ)には「損傷を受ける」が入ります。
条文の記載内容から解答を類推する
この問題は条文を覚えていなくても,問題の選択肢と条文の記載内容から,答えを類推することもできます。
まず(ア)ですが,解答の選択肢の「充電部分が露出しない」と「取扱者以外の者が容易に開けることができない」のどちらを入れてみても,どちらも意味がとおりそうなため,こちらは一旦保留します。
次に,空白箇所(イ)があるc)ですが,ここでは配線を接続する場合のねじ止めのことと,電気的に完全に接続することについての記載です。物理的に固定することに関してであるので,(イ)に入る解答は電気的な用語の「異常電圧」よりも物理的な用語の「張力」の方がふさわしいと類推できます。
d)は,開閉器,接続器,点滅器その他の器具を堅ろうな防護装置を施す必要がある場合の条文です。(ウ)には,選択肢の「感電の」というのも,なんとなく入りそうな感じを受けますが,防護装置の前に「堅ろうな」という言葉があり,感電防止というよりも,物理的な損傷を防ぐためという意味合いを感じるため,この選択肢は「損傷を受ける」の方が望ましいと思われます。
(イ)と(ウ)が決まれば,今回の問題では(ア)も必然と「充電部が露出しない」となり,解答は(5)と選ぶことができます。
法規で出題される条文をすべて覚えるのはとても無理なので,試験では上記のように考えながら解答するのも方法の一つです。
解答
(5)